Q 被災ローン減免制度・コロナ版ローン減免制度とはどんなものですか?
平成28年(2016年)4月1日より、被災ローン減免制度(正式名称は「自然災害による被災者の債務整理に関するガイドライン」)の運用が始まっておりますが、さらに令和2年12月1日より、この制度が新型コロナウイルスの影響での失業や、収入・売上げが減少したことなどによって、債務の返済が困難になった個人・個人事業主にも使えるようになりました。
もともとこの制度は、平成27年9月2日以降に災害救助法が適用された自然災害の影響で、住宅ローン等の支払が困難となった被災者について、一定の要件のもとに住宅ローン等の減額や免除を申し出ることができる制度です。コロナによる影響の場合(災害救助法の適用は関係なくなります。)も住宅ローンの取り扱いは自然災害の場合と若干異なりますが、自己破産よりも債務者にとって有利な内容でローン等の減免を申し出ることができるようになっています(コロナ版ローン減免制度)。
Q 被災ローン減免制度・コロナ版ローン減免制度の利点は?
共通の利点としては、①個別事情により、財産の一部をローンの支払いに充てずに手元に残すことができる、②債務整理をしたことが個人信用情報として登録されない(いわゆるブラックリストに載らない)、③原則として保証人に保証債務履行を求められない、④弁護士をはじめとする中立的立場の「登録支援専門家」の支援を報酬の自己負担することなく(一部の実費は自己負担となります。)受けられる、ということがあります。
Q どうやって利用するのですか?
この制度を利用したいという方は、まずはご自身で借入残高が最も多い金融機関にご相談して制度利用について同意を得られた上で(着手同意書取得)、各地の弁護士会窓口に支援の依頼を申し出る必要がありますが、その場合すみやかに登録支援専門家弁護士が選任されるよう、鳥取県弁護士会では「登録支援専門家弁護士」の名簿を整備しております。
Q 手続は,どのような流れで進むのですか?
登録支援専門家弁護士選任後は、必要な調査を経て、送付書類を整えて全対象債権者宛に「債務整理の申出」をすることにより、債務の返済や督促は一時停止となります(手続中は延滞による期限の利益喪失のペナルティが課されなくなります。)。引き続き債務整理の内容を調整して特定調停の条項に落とし込んで事前に対象債権者全員から同意を得た上で、裁判所で特定調停をまとめるという形でローン等の減免に至ることになります。これらの作成業務等について登録支援専門家弁護士が作成を代行する等の支援を行います。
Q 分からないところなどは,どうしたらいいですか?
コロナ版ローン減免制度については、本来の自然災害の場合との細かい利用要件等の違いがありますので、内容についての疑問点は弁護士にご相談下さい。また、ガイドラインに基づくローン減免制度全体に関するその他のお問い合わせにつきましても、同様に弁護士にご相談ください。
鳥取県弁護士会では、ご相談に対応できる弁護士の紹介も法律相談の取り次ぎの形で行っておりますので、ご希望の方は、下記の鳥取県弁護士会宛にご連絡をお願い致します。
【鳥取県弁護士会】
連絡先:0857-22-3912(受付時間:平日午前9時から午後5時)
参考リンク
一般社団法人自然災害被災者債務整理ガイドライン運営機関
(URL: http://www.dgl.or.jp/ )