キャリア教育 Q&A

Q1 弁護士は,生徒に向けて,どのような職業体験を話すことができますか?

A1  弁護士は,法律相談や裁判の仕事を通じて,成功も失敗も,いろいろな経験をしています。成功体験や失敗談を語れることは,ほかのどの職業とも同じですが,弁護士が関わる争いごとは,人権の擁護や弱者の救済など,社会正義に直結しており,これらに関するやりがいや,うまくいかなかった時のやりきれなさは,生徒にとってもイメージしやすいものではないかと思います。
 差支えがない限りでお話しする具体的な事例を通じて,人権や社会正義を,具体的に考えていただくこともできます。その意味で,法律の価値や機能についても,難しい知識なしで,生徒に実感してもらえると思っています。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)

Q2 弁護士が,学校で職業体験を話すことの意義をどのように感じていますか?

A2  報道やドラマなどを通じて広まる弁護士のイメージは,実像とやや違っていると思います。具体的な体験をもとに,現実に近い弁護士像を伝えることができると感じています。
 教科書に書かれている法律に関する知識から,社会の中で法律がどのように機能しているかを理解することは困難だと思います。キャリア教育では,個人的な経験談をお話しすることが中心で,生徒にとっても具体的にイメージしやすいものです。
 そもそも,法律家は,六法などの細かい文字ばかりを読んで,暗記をしていると思っている方が多く,実際はまったく異なることに驚かれることもあります。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)

Q3 法学部志望者に対しては,どのような話をすることができますか?

A3  私たち弁護士も,昔は高校生であり,大学生でした。
 それぞれに法律家を志した動機は違っており,特に経歴が浅い若手弁護士が高校生や大学生の当時に思っていたことを聞いていただくことを通じて,生徒がそれぞれに持っている進学や法学部での学習への気持ちを,より強くすることができます。
 理系学部の場合は,大学での研究に触れる機会があるようですが,法学部はキャリア教育の担い手がなく,イメージが持ちにくかったようです。
 法学部での授業内容や,学生生活から得られたことなどをお話しすると,高校生としての現在の勉強や,部活などの課外活動が,大学生としての生活にも,弁護士の仕事を担う上で必要な知識や経験にもつながっていることを実感してもらえると思います。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)