模擬裁判 Q&A

Q1 模擬裁判の授業によって,どのような経験ができますか?

A1  鳥取県弁護士会で準備しているシナリオは,CD売り場が併設された書店におけるCDの万引きに関する事案です。裁判員裁判対象事件ではありませんが,冒頭陳述や証人尋問など,実際の裁判の進行に近いリアルな台本となっています。  生徒は,検察官や弁護人などになりきって,シナリオを演じることで,刑事裁判の進行を体験することができます。
 また,評議は,刑事裁判の実演を見ていた裁判員役を含め,グループ分けをして全員で行います。窃盗が成立するか否かの判断は,正解のない結論を導く作業で,実際にグループによって結論が分かれることがほとんどです。
 このような作業は,社会人になってから求められる思考や,議論する力であり,教科書での学習では身につかない経験を得ることができます。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)

Q2 刑事裁判に関する知識がなくても,生徒は参加できますか?

A2  刑事裁判に関する解説するスライドを準備しているので,裁判に関する最低限の学習をしたうえで,模擬裁判に臨むことができます。
 裁判員として判断するべき争点は,シナリオの中で明示されており,刑法などの法律知識がなくても,自然に評議で発言できる内容です。
 そもそも,裁判員には,法律知識は求められておらず,評議を行う体験の中で,裁判員裁判には法律知識がなくても十分参加できることを理解していただけます。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)

Q3 これまで模擬裁判の授業を行ってきた手ごたえはどのようなものですか?

A3  特に法律家役を演じる生徒には,本物の法律家になりきって,尋問をしたり,主張を述べたりするようにお願いしており,本気でなりきってもらえると,授業がとても盛り上がります。
 グループに分かれて評議を行った結果と結果に至った重要な理由は,グループごとに前に出て発表してもらいますが,それぞれ悩みながら結論を出そうと真剣に取り組んでもらえる姿が印象的です。
 被告人の有罪か無罪か決める裁判でも,グループによって結論が変わりうることに驚かれることが多く,結論ありきではない裁判に触れてもらえた,と実感します。
回答者:森祥平弁護士
鳥取県弁護士会法教育委員(令和3年度)