【連載】マメ知識 虎に翼のことば 2

第20話~第32話

「11 弁護人を引き受けてくれそうな人は、まだ…」~「20 君も晴れて一人前の弁護士になったわけだ」

第20話~第32話

「11 弁護人を引き受けてくれそうな人は、まだ…」~「20 君も晴れて一人前の弁護士になったわけだ」

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「11 弁護人を引き受けてくれそうな人は、まだ…」

~逮捕されたときに弁護士に助けを求めるための制度~

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「11 弁護人を引き受けてくれそうな人は、まだ…」

~逮捕されたときに弁護士に助けを求めるための制度~

連載プロジェクトチームの磯部紗希です。
今回は、第20話で、身体拘束された寅子の父・直言の弁護人が見つからず、困った書生・優三さんの「弁護人を引き受けてくれそうな人は、まだ…」というセリフについて解説します。

現代において、身体拘束をされた人が、弁護士からの助言を受けるためには、いくつかの制度があります。
例えば、「被疑者国選弁護人制度」(刑事訴訟法37条の2)は、貧困等の理由で自ら弁護人を選任できない場合に、本人の請求または法律の規定により、国が費用を負担して、弁護人を選任する制度です。

また、弁護人を依頼する権利を実質的に保障するため、全国の弁護士会において、「当番弁護士制度」が実施されています。これは、身体拘束をされた人や家族の依頼により、当番弁護士が、原則1回、無料で面会に出動する制度です。
出動した当番弁護士は、面会(接見)し、逮捕・取調状況の確認、今後予想される刑事手続の流れや黙秘権といった守られるべき権利の説明、虚偽の自白を防ぐための適切な助言等を行います。

寅子が生きた時代も現在も、身体拘束をされてから、直ちに弁護士から助言を受けることの重要性は変わりません。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「12 父が大臣邸に訪れて金品を渡したとされる日に訪問記録はありません」

~訪問記録がないことを突き止めたことがなぜ重要なのか?~

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「12 父が大臣邸に訪れて金品を渡したとされる日に訪問記録はありません」

~訪問記録がないことを突き止めたことがなぜ重要なのか?~

連載プロジェクトチームの豊島摩耶です。
虎に翼 第23話の、寅子のセリフ「父が大臣邸に訪れて金品を渡したとされる日に訪問記録はありません」について解説します。
父・猪爪直言の無実の罪を晴らしたいと考える寅子は、大臣邸の訪問記録を入手し、直言の供述調書で「直言が大臣邸に訪れて金品を渡した」とされる日に、訪問記録がないことを突き止めます。
これは、証言(供述)の信用性判断における客観的証拠との矛盾の問題で、この矛盾がある場合、その証言(供述)の信用性は乏しい、ということになります。

証言(供述)が客観的証拠と矛盾することを理由に無罪を言い渡した判決には、
1 宇都宮地裁平成22年3月26日再審無罪判決(足利事件):わいせつ目的誘拐、殺人、死体遺棄罪で起訴
  DNA(再)鑑定により被告人が犯人ではないことが科学的に明らかとなり、DNA(再)鑑定と矛盾する被告人の自白の信用性も否定
2 福岡高裁宮崎支部平成28年1月12日無罪判決(鹿児島天文館事件):強姦罪で起訴
  DNA鑑定と矛盾することなどを理由に、被害者の証言の信用性を否定
3 名古屋地裁(差戻し審)令和5年10月25日無罪判決:詐欺罪で起訴
  LINEのトーク履歴と矛盾することなどを理由に、被害者等の供述の信用性を否定
などがあります。

近年、無罪判決が確定した代表的な「えん罪」事件の概要や経過の紹介が、日本弁護士連合会HPの「えん罪事件から見える日本の刑事司法」 https://www.nichibenren.or.jp/…/falseaccusation.html に掲載されています。この機会にぜひご覧になってみてください(上記の1 足利事件、2 鹿児島天文館事件もここに掲載されています)。
 
(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「13 扇子のパンパン、やめてください」

~検察官の着席位置・むかしと今~

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「13 扇子のパンパン、やめてください」

~検察官の着席位置・むかしと今~

連載プロジェクトチームの足立珠希です。
第24話の刑事法廷で、裁判官の隣の壇上に着席して扇子で机を叩く検察官に対し、直言は、「その扇子のパンパン、やめてください!」と言い返しました。
今回は、検察官の着席位置について解説します。

ドラマの刑事法廷では、法廷の一段高い席に6人の法服姿の人がいました。
紫の刺繍の法服の裁判官(判事)が3人、赤の刺繍の法服の検察官(検事)が2人、端の人はたぶん裁判所書記官です。
直言の取調べをしていた日和田検察官が壇上にいたことで、「検察官が裁判官をしている?」と疑問に思った方もいらっしゃるようでした。

ドラマ当時、裁判所は司法省の一組織で、制度上裁判所(司法権)の独立は保たれておらず、裁判官と検察官は協力して刑事裁判を行う立場にありました。ドラマに出てきた予審もその一例で、予審判事は捜査にあたる行為ができました。
ベテランっぽい日和田検察官が若い桂場裁判官に圧力をかけようとしたのもこのような関係あってのことでしょう。裁判官と同列の席から検察官に見下ろされるプレッシャーは被告人にとっては相当なもので、直言が倒れ込んでしまうのも頷けます。
 
戦後の日本では、三権分立を定めた日本国憲法のもと、裁判所は行政から独立した組織となる一方、検察庁は法務省に属する組織であり、両者は明確に分離されました。現在の刑事法廷では、検察官と被告人・弁護人は同じ高さの席(民事法廷では原告・被告の席)に向かい合って着席するので、座り位置は対等な立場となっています。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「14 自白の強要は人権蹂躙にあたるのではないか」

~猪爪直言に対する取調べの問題点は革手錠だけか?~

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「14 自白の強要は人権蹂躙にあたるのではないか」

~猪爪直言に対する取調べの問題点は革手錠だけか?~

連載プロジェクトチームの森祥平です。
今回は、虎に翼第24話で検察官と論争する弁護人・穂高教授のセリフ「自白の強要は人権蹂躙にあたるのではないか」を解説します。

日本国憲法38条2項は、「強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。」と定め、刑事訴訟法319条1項は「任意にされたものでない疑のある自白」の証拠としての資格を否定します(自白の任意性)。

暴行や脅迫を伴う取調べは、比較的わかりやすく、ドラマで描かれていた、検察官のもとで長時間にわたって革手錠をされた拷問の結果としての自白は、任意性が失われると理解して良いでしょう。
注意すべきは、強制や拷問でなくても、「取調べの場」自体が圧力になって、虚偽自白に導く場合があることです。例えば「君の証言で全員を釈放できるのだ」というドラマでの検察官の発言は、一種の利益誘導であり、任意性の否定につながります。

古くから「自白は証拠の王」などと言われ、ドラマでも検察官は自白に固執する態度に出ました。市民が裁判員として刑事裁判に参加する現代では、一見ささいな圧力や心配事でも、人を虚偽自白に向かわせる危険に警戒しなければならないと思います。
 
(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「15 高等試験司法科」

~弁護士になるための試験・むかしと今~

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「15 高等試験司法科」

~弁護士になるための試験・むかしと今~

連載プロジェクトチームの足立珠希です。
第26話では寅子たちが「高等試験司法科」を受験しました。今回は法曹になるための試験について説明します。

1 高等試験司法科
昭和12年のドラマ当時、裁判官、検察官、弁護士を志望する者は高等試験司法科を受験しました。
本試験の受験資格は、旧制高校(今の大学教養課程に相当)等を卒業した者や大学学部に在籍卒業した者であり、寅子たちは明律大学在籍の資格で受験しています。
論文試験に合格すると口述試験に進めますが、口述試験に落ちた者は翌年も口述試験を受験できました。
なお、旧制高校等を卒業していない者は予備試験に合格する必要がありました。

2 旧司法試験
昭和24年から司法試験が始まりました。
大学教養課程を修了した者が、択一(5月)、論文(7月)、口述(10月)試験からなる二次試験を受験できました。
口述試験に落ちた者は翌年も口述試験を受験できること、大学教養課程終了の代わりに一次試験から受験するルートもあることなど、高等試験と似た作りでした。
平成18年から新司法試験と5年間併存しました。

3 現行の司法試験
平成16年法科大学院(ロースクール)創設に伴い、平成18年、法科大学院修了者が受験する新司法試験が始まりました。
旧司法試験と異なり、全員が択一試験と論文試験を受験し(現在は7月)、口述試験はありません。また択一試験不合格者は論文試験の採点をされません。
法科大学院に進学しない者や修了前の者のための予備試験もありますが、上記1、2の予備試験・一次試験とは性質が異なり、法科大学院卒業程度の学力が必要です。

4 法曹を目指しませんか
初の女性合格者が誕生した昭和13年、合格者は242名、うち女性3名でした。
直近の令和5年は、合格者1781名、うち男性1257名(約70%)、女性524名(約30%)となっています。
近年、残念なことに司法試験の受験者が減ってきていますが、法曹コース(大学3年+法科大学院2年)が新設されるなど新たな取り組みもあります。
「虎に翼」効果で多くの若者が法曹を志望してくれることを期待しています。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「16 息子たちにはもう会えないと思えよ」

~親権者を決めるときに何を考慮するか?~

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「16 息子たちにはもう会えないと思えよ」

~親権者を決めるときに何を考慮するか?~

連載プロジェクトチームの渡邉大智です。
梅子に対し弁護士の夫大庭が離婚届を突きつけたときの28話のセリフ「息子たちにはもう会えないと思えよ」について、現在の手続では、どちらが親権者となって子どもと生活できる可能性が高いかについて解説します。

まずは父母の協議で決めますが(民法819条1項)、それで定まらない場合には、裁判所で決めていくことになります(同条5項)。
考慮要素としては、監護能力や実績、愛情の程度、生活環境や、子の年齢・性別・心身の状況などが挙げられ、母性の優先(子が乳幼児の場合には母性的役割を担っていた親を優先)、監護の継続性(現実の養育者を優先)、兄弟姉妹の不分離(子が幼少の場合、同一の親を優先)というような傾向があるといわれています。
しかし、いずれにせよ、子の福祉・子の利益の観点から判断されるべきです。

当然、子自身の意思も尊重され、現在では、子どもの手続代理人という裁判所の手続で、子自身に(親とは別に)代理人が就きうる制度もできています(家事事件手続法23条等)。
物語の中の大庭は、梅子が親権者に絶対なれないかのような物言いでしたが、現在の裁判所であれば、梅子が少なくとも三男の親権者になる可能性が高いのではないか、と私見ながら感じました。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「17 安寧秩序ヲ妨害シ」

~あいまいな法律がもたらす困ったこと~

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「17 安寧秩序ヲ妨害シ」

~あいまいな法律がもたらす困ったこと~

連載プロジェクトチームの森永有紀です。
31話に登場した落合洋三郎教授が刑事訴追された出版法27条「安寧秩序ヲ妨害シ」のような、「あいまいな言葉による規制」の問題点を解説します。

憲法学上、表現の自由(日本国憲法21条1項)など精神的自由を規制する立法は明確でなければならないとされています(明確性の基準)。
これは、都合の悪い表現が簡単に制限されるべきではないことや、何ら問題のない表現行為も差し控えさせてしまう「萎縮的効果」が起きてしまい、何も言えない暗い社会を招いてしまうおそれがあるからです。
この不安に満ちた空気感は、雲野弁護士の「お国のどこかが因縁をつけてきたということなんでしょうな」というセリフにも表れています。

明確性の基準は、現代の裁判でも何度も問題になっています。
例えば「公衆に不安又は恐怖を覚えさせるようない集又は集会を行うこと」を規制する条例が問題になった最高裁判決では、条例のタイトルや他の規定もあわせて読めば、規制対象が暴走族に限られていることがわかるとされましたが(合憲限定解釈)、萎縮的効果の危険を指摘して反対する意見も付されています(最判平成19年9月18日)。
そのほか、誹謗中傷行為は侮辱罪で処罰される可能性がありますが(刑法231条)、萎縮的効果の危険も常に意識されるべきだと思われます。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「18 既に時効が成立しており罪に問うことができない」

~時間が経てば処罰を免れるのは正しいか?~

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「18 既に時効が成立しており罪に問うことができない」

~時間が経てば処罰を免れるのは正しいか?~

連載プロジェクトチームの清水奈月です。
31話では、落合教授が問われた出版法違反の罪について、裁判所が「公訴時効」が成立していると判断しました。今回は、現在用いられている公訴時効制度について解説します。

犯罪行為が終わった後、定められた期間内に検察官が公訴提起(起訴)しなかった場合、裁判所は免訴判決を下します(刑事訴訟法337条4号)。
このとき裁判所は犯罪事実があったかどうかには立ち入らず、有罪とも無罪とも判断しませんから、免訴は無罪とはまた別のものになります。
また、公訴時効は刑事手続上の制度ですから、民法上の時効とも似て非なるものです。

公訴時効を設ける理由は諸説あり、時間の経過で社会感情が沈静化する、証拠が散逸する、犯人の社会的安定や捜査裁判側の負担軽減が必罰要請を上回る、処罰の相当性が減る、などが言われていました。
被害者や遺族側からは時間が経てば処罰を免れるというのはおかしいという声が上がり、様々な議論を経て法改正が行われてきました。昨年6月の改正では、性犯罪の公訴時効期間が延長されています。現在の例をいくつかご紹介します。

・殺人罪 公訴時効なし(刑事訴訟法250条1項柱書、刑法199条)
・過失運転致死罪 10年(刑事訴訟法250条1項3号、自動車運転死傷処罰法5条)
・不同意性交罪 15年(刑事訴訟法250条3項2号、刑法177条)

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「19 裁判は非公開に切り替えられました」

~「出版法違反」の裁判が公開されるべき理由~

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「19 裁判は非公開に切り替えられました」

~「出版法違反」の裁判が公開されるべき理由~

連載プロジェクトチームの足立珠希です。
第31話の落合教授の出版法違反の裁判は、落合教授の門下生や大学関係者が裁判所に大勢押しかけましたが、『治安を乱す恐れがある』という理由で、「裁判は非公開に切り替えられました。」。今回は裁判の公開原則とその例外について解説します。

連載3「傍聴受付」の解説の通り、裁判の対審及び判決は公開法廷で行うのが原則です(日本国憲法第82条第1項)。
もっとも、裁判所は、裁判官の全員一致で、公の秩序または善良の風俗を害するおそれがあると決した場合には、例外的に、対審を非公開とできます(同条第2項)。
私生活や企業秘密などで公になる不利益が大きい場合や公になることをおそれて当事者や証人から真実を引き出せなくなる場合が例として上げられます。

但し、日本国憲法は、「政治犯罪、出版に関する犯罪又は憲法が保障する国民の権利が問題となっている事件の対審」は、常に公開しなければならないと定めており(同条第2項但書)、非公開とすることを認めません。
これらの事件は、歴史的にも、政治圧力などから密室裁判による不公正な裁判が行われやすい類型であり、国民の権利自由を守るために、国民が裁判を傍聴して公正な裁判が行われているかチェックする必要性が特に高いからです。

落合教授の出版法違反の対審(公判手続)は、現代では、必ず公開しなければなりません。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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「20 君も晴れて一人前の弁護士になったわけだ」

~今でも研修で事務所の作業をさせられるか?~

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「20 君も晴れて一人前の弁護士になったわけだ」

~今でも研修で事務所の作業をさせられるか?~

連載プロジェクトチームの川端彩華です。
32話では、雲野弁護士が、研修を終え晴れて弁護士の名刺を手にした寅子に対し、「君も晴れて一人前の弁護士になったわけだ」と声をかけた場面がありました。
今回は、寅子が受けた研修が、今はどうなっているかについて解説します。

当時の制度は、試験に合格後、裁判官や検察官の志望者と、弁護士志望者とは、別々の研修を受けていました。
ドラマでは、寅子が「弁護士試補」の立場で、弁護士になるための研修を受けており、法律事務所で証拠の書き写しの類の作業等をしている姿が描かれていました。

現在の制度では、司法試験に合格した後、法曹三者すべての希望者が共通の研修(司法修習)を受けてから、裁判官や検察官、弁護士に進みます。
そして、裁判所や検察庁、法律事務所で、実際の裁判を傍聴して裁判官とともに判決内容を検討したり、法律事務所で依頼者との打ち合わせに同席して裁判での書面を作ったりするなど、生の事件に本格的に触れて、勉強していくことになります。

寅子とその友人たちは、明律大学で、形見の着物を取り戻す裁判を傍聴し、妻側を勝たせる立場で法律などを検討していました。
書き写しなどの雑用ではなく、こちらの方が現在の司法修習での勉強に近いと思います。

(各会員の意見にわたるものについては、鳥取県弁護士会を代表するものではありません。)

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