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【会長声明】新型コロナウイルス感染症の影響による人権侵害行為に関する会長声明

 新型コロナウイルス感染症の感染が拡大する中,感染された方,医療機関従事者,濃厚接触者などに対して,誤解や偏見に基づく誹謗中傷が行われているという報道が散見されます。

 このような行為は,名誉権やプライバシー権を含む人格権を侵害し,心を深く傷つけるものであって,重大な人権侵害行為ですから,改めて言うまでもなく絶対に行ってはいけません。
 それだけでなく,誹謗中傷を恐れて行動歴や濃厚接触者に関する正確な情報提供をためらってしまうなど,感染拡大の防止に大きな支障が生じ,多くの市民の生命や健康を害することにもなりかねません。
 また,誹謗中傷の内容や程度によっては,名誉毀損罪(刑法230条1項,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金)が成立して刑罰を受けることがありますし,不法行為(民法709条)として損害賠償金を支払う義務が生じます。軽い気持ちで行うと本当に大きな代償を払うことになります。

 鳥取県内でも感染者が確認されています。感染拡大を防ぐには,新型コロナウイルス感染症について正しい知識を持ち,お互いに思いやりを持って冷静に行動することが大切です。

 今後,誰ひとりとして,新型コロナウイルス感染症に起因する誹謗中傷,不当な差別,いじめなどの人権侵害行為の被害者,加害者となって欲しくないという思いから,この会長声明を発することとしました。

 鳥取県弁護士会は,日本弁護士連合会や,鳥取県をはじめとする行政などと連携しながら,新型コロナウイルス感染症から生じる様々な困難を乗り越えるべく,引き続き全力を尽くしてまいります。

以上

2020(令和2)年4月28日
鳥取県弁護士会  
会長 野 口 浩 一

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