鳥取県弁護士会・司法修習委員会は,鳥取地方裁判所に配属される司法修習生の指導の実施やカリキュラムの企画立案等を行っている委員会です。
まずは,このページをご覧になっている皆様にお礼を申し上げなければなりません。第71期司法修習生(平成29年12月採用)より,司法修習生に対する修習給付金が給付されることになりました。それまでは司法修習生の資金が貸与されていたところ,給費制に変わることにより,生活が安定し,法曹人材の養成への大きな支援となっております。鳥取県に配属される司法修習生は,就職活動等による移動費など,依然として経済的に厳しい状況にはありますが,修習給付金によって状況が改善したことは間違いありません。皆様に厚く御礼を申し上げます。
司法修習生は,司法試験を合格した後に採用され,約1か月間の司法研修所での教育を受けます。その後,各地方裁判所に約9か月間配属され,裁判所や検察庁,弁護士の実務の仕事を学びます(分野別実務修習)。その後,約2か月間の司法研修所での教育を受け,二回試験と呼ばれる試験に合格すれば,裁判官,検察官,弁護士の資格を得て,実務家としてのスタートを切ることになります。
このうち,当委員会は,鳥取地方裁判所に配属された司法修習生(6名から8名程度)の分野別実務修習の弁護士実務の指導の実施を担っています(弁護修習。そのほか,選択型実務修習のカリキュラムの策定や実施も行っています。)。
弁護修習では,実際の弁護士の活動をみながら,法律相談や法廷弁護活動,必要な書面の起案,そのほか民事,刑事,家事等を含めた法律実務一般を学びます。講義や机上の勉強ではなく,実際の事案に触れるオンザジョブトレーニングであることから,そこで学ぶ内容は実践的で,他には替えがたい価値を持つ貴重な体験です。法曹実務家の養成に欠くことはできないと考えています。他方,プライバシーに触れることになることから,司法修習生には厳格な守秘義務が課されるなど,秘密が絶対に漏れることがないよう,十分に配慮しながら実施しています。
弁護修習における司法修習生の立会いを含め,弁護修習の実施には多くの方にご理解とご協力をいただき,日頃から感謝しております。また,今後も引き続き,ご理解をいただければと存じます。
最後に,鳥取県に配属される司法修習生へのメッセージです。鳥取県は,東京や大阪のような大規模庁ではありませんが,お互いの顔がわかる規模の法曹環境のもと,少人数の状況を活かしたきめの細かい指導を心がけています。司法修習生の中には,大都市圏から鳥取県に配属されることに不安を感じる方がいらっしゃるかもしれません。しかし,実務家としての力をつけるために必要な事案や課題には事欠かず,また,自然や四季の移り変わりは豊かで,修習の内容や生活面のいずれについても,ほとんどの司法修習生には満足してもらえていると理解しています。
安心して当地における司法修習に臨み,実を上げていただければと思っています。