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【会長声明】死刑執行の報に接し、改めて死刑制度の見直しを求める会長声明

2017(平成29)年7月13日、広島拘置所において34歳の男性死刑囚1名、大阪拘置所において61歳の男性死刑囚1名に対し、死刑が執行された。今回の死刑執行は第2次安倍内閣以降11回目で、合わせて19人となる。また、2006(平成18)年の第1次安倍内閣と合わせると安倍政権下における死刑執行は29人となる。
死刑は、生命をはく奪する刑罰であり、国家の国民に対する重大かつ回復不可能な人権侵害である。しかも、刑事司法制度は不完全な人が作り、これを運用するものであるから、常に誤判・えん罪の危険が存在する。再審無罪判決がなされた4件の死刑確定事件(免田事件、財田川事件、島田事件、松山事件)は刑事司法制度の不完全性を如実に示している。
また、死刑制度の犯罪抑止力に関しては長く議論されてきたところであるが、死刑制度が他の刑罰よりも犯罪抑止力があることについて疑問の余地なく実証された研究はない。むしろ、その効果に疑問を呈するデータ結果もある。
死刑制度については、その廃止も含めた見直しをする必要がある。
他方で、死刑制度に対しては、その存続を求める声も多くある。犯罪により生命を奪われた被害者は、痛みとともに死の恐怖に襲われ、そして輝かしい未来が奪われる。遺族もまた、被害者の無念を想い、地獄の苦しみが続く。このような重大犯罪は決して許されるものではなく、犯罪被害者の遺族が厳罰を望むことは自然なことである。死刑制度について検討する際、我々は当事者である犯罪被害者及び遺族の心情に真摯に向き合うことを決して忘れてはならない。
確かに、死刑制度の存廃は非常に難しい問題であり結論を容易に出すことができない。しかし、引き続き犯罪被害者及び遺族に対する支援を推し進め、またできるだけ犯罪被害者及び遺族の心情に沿った代替刑を検討しながら、死刑制度について廃止も含めた抜本的な検討を行い、見直しをしていくべきである。そして、国は、そのような議論に資するため、死刑執行の基準、手続、方法等の情報を十分に公開しなければならない。
鳥取県弁護士会は、2013(平成25)年と2014(平成26)年に、死刑制度の存廃を含めた国民的議論と国家的検討の施策を講じること、及びその間の死刑執行の停止を求める会長声明を発してきたが、国において、これまで何らの措置もとられることなく時が経過し、事務的に死刑が執行され続けていることは極めて遺憾である。
当会は、このたびの2名の死刑執行の報に接し、このような現状に強く抗議するとともに、死刑制度についての全社会的な議論を求め、この議論が尽くされるまでの間、死刑執行を停止するために必要な措置を直ちに講じることを改めて強く要請する。

2017(平成29)年9月22日
鳥取県弁護士会
会長 岸 田 和 久

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