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司法修習生に対する給付型の経済的支援を求める会長声明

司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当の創設については、これまで、日本弁護士連合会と各弁護士会宛てに多くの国会議員から賛同するメッセージが寄せられており、このたび、その総数が衆参両院の合計議員数717名の過半数である359名を超えるに至った。与野党を問わず、司法修習生への給付型の経済的支援に対する理解が得られつつあるものといえる。

そもそも司法制度は、法の支配を社会に行き渡らせ市民の権利を擁護するための社会制度であるから、国は、こうした公共的価値の実現を目的とした司法制度を担う法曹となるべき司法修習生を公費で養成するべき立場にある。ところが、経済的支援を要する司法修習生に対して修習資金を貸与する制度(貸与制)が2011年11月に施行され、終戦直後から続いていた司法修習生に対する給費制が廃止されるに至った。

このため、司法修習生のなかには、大学や法科大学院における奨学金の債務に加えてこの修習資金の債務を負う者が多く、その合計額がきわめて多額にのぼる者も少なくない。司法修習生の69%が修習を行う上での経済的不安を感じ、21%が修習辞退を考えたことがあるとしている。法曹を志す者は年々減少の一途をたどっており、2009年度には2万5071名であったものが2015年度には3517名に減少しているところ、こうした重い経済的負担が法曹志願者の激減の一因だと指摘されている。

こうした事態を重く受け止め、法曹に広く有為の人材を募り、法曹になろうとする者が経済的理由によって志望を断念することがないよう、また、司法修習生が安心して修習に専念できる環境を整えるために、司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当が早急に創設されるべきである。

平成27年6月30日、政府の法曹養成制度改革推進会議が決定した「法曹養成制度改革の更なる推進について」には、「法務省は、最高裁判所等との連携・協力の下、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえ、司法修習生に対する経済的支援の在り方を検討するものとする。」との一節が盛り込まれた。法務省及び最高裁判所等の関係各機関は、司法修習生に対する給付型の経済的支援の実現に向けて直ちに前向きで具体的な検討に入るべきである。

司法修習生に対する給付型の経済的支援となる修習手当の創設に国会議員の過半数が賛同のメッセージを寄せており、また、政府においても上記決定がなされたことをふまえ、当会は、国会に対し、司法修習生に対する給付型の経済的支援の創設を内容とする裁判所法の改正を求めるものである。

2016年(平成28年)1月20日
鳥取県弁護士会
会長  足 立 珠 希

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